「3DEXPERIENCE」の活用法(SOLIDWORKSデータ管理編) by 武庫川二郎
皆様こんにちは。二郎です。いつもコラムをご覧頂き有難うございます!
昨今、SOLIDWORKSにご興味のある方や、SOLIDWORKSユーザの方は、「3DEXPERIENCE」という言葉を耳にされていると思います。
まず、「3DEXPERIENCEって何なの?」という疑問については、ここでお伝えすると長くなりますので、当社の説明ページをご覧下さい。
⇒3DEXPERIENCEのページ
それでは、この「3DEXPERIENCEって実際どうなの?何に使うの?役に立つの?」とお考えの方に、活用方法の一例をお伝えしようと思います。
◆ 目次 ◆
3.「Collaborative Designer」の活用シーン
■「SOLIDWORKS」モデルのデータ管理について■
突然ですが、現在「SOLIDWORKS」モデルのデータ管理はきちんとできていますか?
SOLIDWORKSモデルのデータ管理ができていないと、「どれが最新版か判らない」「どれが正しいモデルか判らない」「参照関係が崩れアセンブリのモデルが消えた」「誰かがモデルを上書きした」などのトラブルが生じます。皆さまもこのような経験、一度は無いでしょうか。
自力で参照関係に配慮したSOLIDWORKSのデータ管理は難しいものです。誰かがルールを破ったり、うっかりミスでデータを消したり移動させたり・・。
そこで、SOLIDWORKSデータを安全に管理するために「SOLIDWORKS PDM」を活用します。人手では解決できない事をツールで補うということです。
では、「SOLIDWORKS PDM」は誰もが使っているのか、というと、決してそうではありません。依然、共有フォルダでの管理から抜けられない方々の状況を考えてみましょう。
■SOLIDWORKS PDMを使わない理由■
●環境構築や維持に費用と手間がかかる
-サーバ等の環境面
(OSバージョンアップの対応、データのバックアップ、データ容量不足への対応、機器のメンテナンスや老朽化による買い替え、・・)
-ソフトウエア面
(CADのバージョンアップに追随対応、サービスパックへの対応、トラブル時の復旧作業・・)
●ITに詳しいシステム管理者を設置しなければならない
これらの傾向は中小企業に多く見られますが、社内環境や人員などの調整が必要なことから、現状を変えることはなかなか難しいと良く耳にします。
ここで、現状を打破する画期的なツールが「3DEXPERIENCE」製品群に含まれるクラウドPDMツール「Collaborative Designer for SOLIDWORKS(以下、「Collaborative Designer」と略します)」です。
まず「Collaborative Designer」はクラウドソリューションなので、安定したインターネットの環境があれば、すぐに使い始めることができます。導入や維持の負担が解消されるため、ツールを用いたSOLIDWORKSのデータ管理へのハードルは大きく下がるのではないでしょうか。
それでは、「Collaborative Designer」の特徴に注目してみましょう。「Collaborative Designer」のクライアント環境はSOLIDWORKSのアドインツールとなるため、SOLIDWORKSユーザは普段使い慣れた環境で利用を開始することができます。
また、SOLIDWORKSユーザ以外へは「ダッシュボード」と称するWebブラウザ上でデータを共有します。ダッシュボード上では双方向でコミュニケーションを取ることもできます。
次に具体的な「Collaborative Designer」の活用シーンを紹介します。
■「Collaborative Designer」の活用シーン■
・データの最新版確認
「リビジョン」と「完成度ステータス」をSOLIDWORKSの画面で確認できます。
・過去データの再利用
SOLIDWORKSの画面からフリーワードで簡単にデータを検索し、検索結果の一覧から必要なモデルを作図領域へドラッグアンドドロップするだけでモデルデータを開くことができます。ダッシュボード上では「名前」「データ種類」「作成日」「作成者」「完成度ステータス」その他、様々な条件から必要なデータにアクセスします。
・他人によるデータの上書き防止
データ編集時は「予約」による編集権の確保、また「凍結」による他人の編集を禁止するなど排他制御ができます。また、SOLIDWORKSモデルの編集状況を一目で把握できます。
・チームの作業進捗の把握
作業依頼をSOLIDWORKSの画面から確認し、同じ画面から直接データを開いて作業を始めることができます。また、ダッシュボード上で「予約」「処理中」「完了」の3段階で作業進捗を把握できます。
・社内外の情報共有とコミュニケーション
SOLIDWORKSユーザでない方も、ダッシュボード上からSOLIDWORKSデータを確認し、コメントをやり取りするなどのコミュニケーションにも利用できます。また、「製造担当はタブレット」「外出先からはスマートフォン」などデバイスを問わずデータにアクセスできます。
皆さま、如何でしたでしょうか。
最後に、「クラウドにデータを置くのはちょっと・・」、そんな抵抗をお持ちの方もいらっしゃると思います。「3DEXPERIENCE」はISOの標準規格に準拠したセキュリティを担保しているため、通常の企業インフラ環境と同様、社内ネットワークと社外接続のセキュリティに配慮頂ければ安心してご利用頂けます。
なかなか取り組めなかったSOLIDWORKSのデータ管理、「Collaborative Designer」で実現しては如何でしょうか。
以上