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ホンダ・ワールド株式会社 様

F.C.C. TSR Honda Franceが2017/2018 FIM 世界耐久選手権でシリーズチャンピオンを獲得! SOLIDWORKSを利用したマシンパーツの開発に迫る。

 

シリーズチャンピオン獲得の画像
レーシングチームF.C.C TSR Honda Franceの画像

2018年7月、ホンダ・ワールド株式会社が運営するレーシングチーム「F.C.C. TSR Honda France」が2017/2018 FIM 世界耐久選手権で日本チーム初のシリーズチャンピオンを獲得した。
地元で開催された「鈴鹿8時間耐久ロードレース 第41回大会」で決めた快挙は、長年培ったテクノロジーとノウハウが身を結んだ瞬間である。
同社のテクノロジーを表現するツールとなるSOLIDWORKS、その活用現場に迫る。

レーシングチーム「テクニカルスポーツレーシング(Technical Sports Racing)」として FIM 世界耐久選手権でのレース参戦や、他のレーシングチームに部品供給をする。その一方、 レース参戦で培ったテクノロジーを活かし、同社オリジナルの車両やオートバイ用マフラーなどのカスタマイズパーツを開発/販売している。

社長の想い

取締役社長 山下様の画像取締役社長 山下様

「昨今、二輪車の人気は80年代に比べて十分の一くらいになっています。そこで、私達がレースに参加し、優勝を目指す姿を見ていただくことで、オートバイの素晴らしさを伝えていきたいと考えています。またレースで培ったノウハウを、お客様にカスタムパーツとして供給することで、その価値を共有したいとも思っています。今後もレースを通じて地元鈴鹿を盛り上げるとともに、二輪業界に貢献すべく挑戦し続けます。だからこそ来年も連覇を目指しています」と力強く話す。

SOLIDWORKS導入の経緯

同社は、オリジナルの車両やオートバイ用マフラーなどのカスタマイズパーツの開発にSOLIDWORKSを利用している。
新明和ソフトテクノロジとは、セミナーの受講をきっかけに定期的に情報共有を行い、SOIDWORKSの活用方法拡大や課題解決に向け取り組んでいる。
同社のプロジェクトマネージャー兼チーフメカニック 秋山様は「元々は2DCAD のみ利用していましたが、2次元図面の弱点を3次元で補おうと思い、3DCADの利用を決めました。当初はメーカーのデータを受けとるため、ハイエンドの3DCADを利用し始めました。ただ、ハイエンドの3DCADは購入や維持費が高価となるので、メインの利用は、コストメリットと性能を両立できるSOLIDWORKSを利用することにしました」と導入経緯を語る。

 

【技術者対談】開発者目線で考える世界耐久選手権レース参戦 について

ここからは、SOLIDWORKSを活用したFIM 世界耐久選手権レースマシンの開発について同社の秋山様と、当社 西日本グループ 技術主任中川が、技術者同士の目線で対談した。

 

プロジェクトマネージャ兼チーフメカニック 秋山様の画像
技術主任 中川の画像

【技術者対談】

プロジェクトマネージャー
兼 チーフメカニック
秋山様

 

×

技術主任
中川

 

2017/2018 FIM 世界耐久選手権で日本チーム初のシリーズチャンピオン獲得、おめでとうございます。
大変なご苦労があったのではないでしょうか。

バイク整備の画像
秋山様: ありがとうございます。そうですね、華やかな世界に見えますが苦労している部分は 多いです。レースを行いながらも、常に頭では次のレースのことを考えながら仕事をしている状態です。レースの時は24時間寝ずに作業することもあるので、過酷ですね。そして、レースから戻ったら次のレースに向けて、すぐに取り掛かります。体力的にはもちろんハードですし、プレッシャーも感じますね。ただ、そのぶん、やりがいも大きいですよ。

そんな多忙な中で見事に結果がついてきましたね。技術者としてどんな部分を大事にされていますか。

部品の画像
秋山様: 大事にしていることは、レースで生き残ること。そのためにはマシンが壊れないことが必要です。 そこで、大切な箇所が壊れないよう保護するために、敢えて別の箇所が壊れるようにすると いった工夫もしています。また、マシンの全てのパーツ形状には意味を持たせていますのでそれぞれのパーツが理に適ったモノとなるよう心掛けています。例えばヘッドライトユニット一つをとっても、こだわりを持って取り組んでいます。

ヘッドライトユニットに求められる条件

  • メンテナンス可能な完全密封形状
    (水の浸入によるレンズ曇りや内部トラブルの防止)
  • 広い調整範囲を備えたライトユニットと、
    カウルの形状に沿いながらその照射角を妨げないレンズ形状
  • できるかぎり軽量・コンパクトであること
  • 24時間のレースでどの構成部品も疲労破壊を起こさないこと

そのモノづくりにおいて、SOLIDWORKSを活用なさったのですね。
それによって、どんな効果があったのでしょうか。

秋山様: SOLIDWORKSは面を扱いやすく操作性が良いので、モデルを簡単に作ることができています。さらにパラメータを変更することで部品形状を効率的に修正でき、大変便利です。 それによって開発の作業時間がかなり短縮されました。 また、作成した3次元データは、干渉チェックや加工指示のための意思伝達にも使えるので、 更にクオリティの高いパーツを作れるようになりました。

3次元データならではの効果ですよね。他には、どのように活用されていますか?

秋山様: 3Dプリンタに利用しています。最近の3Dプリンタは、複雑な形状も本当に短時間で綺麗に再現できるんですよ。
例えば、部品形状のレビューや製作への加工指示では、3Dプリンタで作ったものを手に取ることで細かく正確に伝えられますし、大変重宝しています。

今後さらに3DCADの利用範囲を広げるお考えはありますか?

SOLIDWORKSを用いて設計している画像
秋山様: 現在は、2DCADとSOLIDWORKSを状況に応じて使い分けて、構想設計をしています。 製造図面は、2DCADの構想設計図を利用したり、SOLIDWORKSの2次元機能を利用するなどで対応しています。社内のルールも随分こなれてきましたが、それでも課題に感じている部分もありますね。

どのような課題が挙げられますか?

秋山様: 図面の管理・部品の共有化が完全にはできていません。そこで製品データの管理と共有 にSOLIDWORKS PDMの利用を検討しています。例えば、担当者がいなくても手配したり、過去の販売条件(費用など)を確認できるようにしたいです。

3次元データの活用という点では如何でしょうか?

秋山様: そうですね、周辺ツールを有効活用して資産を最大限に活用したいと考えています。
ただ、海外を転戦する業務の中で、実現することの難しさを感じています。

3次元データの主な活用用途

  • 設計検証(SOLIDWORKS Simulation)
    主に静解析機能で強度・剛性の評価を行っている。今後は動的な挙動の シミュレーションにトライしていきたい。
  • 2次元図面レスによる取引先との製造情報の共有(SOLIDWORKS MBD)
    既に一ヵ所別会社とのやり取りに小規模で利用を開始している。 これからさらに広げていきたい。
  • 取扱説明書/仕様書の作成(SOLIDWORKS Composer)
    現状はアセンブリモデルの分解図をキャプチャしエクセルに貼り付けている。 ドキュメント作成や編集時の省力化のために、今後は専用ツールを活用したい。

そこは大変な部分ですよね。新たな取り組みに対しても早期に効果が出るよう支援いたします。

今後、同社の目指す二輪業界の発展のために、新明和ソフトテクノロジの更なる支援に期待がもたれている。

 

会社概要(2018年12月現在)

ホンダ・ワールド株式会社の画像

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