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株式会社山本金属製作所 様

長年培ってきた技術力とSOLIDWORKSでの設計を融合し製造業に新たな価値を見出す製品開発を実現

山本金属製作所が随一の技術を活かした新たな製品をSOLIDWORKSで表現。 リアルタイム計測機器「MULTI INTELLIGENCE®」(精密工学会 ものづくり賞 最優秀賞受賞)や 4連式回転曲げ疲労試験機「GIGA QUAD®(YRB300L)」(2014年度グッドデザイン・ベスト100受賞)など、 製造業の未来に貢献する製品を創出し続けている

精密加工技術の画像

創立以来追求してきた”精密加工技術”と”計測評価技術“の2つのコア技術。
この技術を武器に高品質・高精度な製品の提供はもちろん、産業の根底にある機械加工「削って作る」 プロセスを革新し、魅力のある産業を切り開くことを目指す。

業務の多岐にわたりSOLIDWORKSを活用

疲労試験機の画像

同社の主力製品の一つである「4連式回転曲げ疲労試験機 GIGA QUAD®(YRB300L)」などのメイン設計ツールにSOLIDWORKSを利用している。
SOLIDWORKSの管理を担当している同社の技術開発部課長 米田様は
「数年をかけて拠点間で利用できるフローティングライセンスを整備しました。製品設計や機構検討・配管位置検討といった本来の3DCADとしての利用に加え、2次元図面の作成にも利用しています。過去に入手した加工依頼の図面は紙であったり手書きの指示が入ったりしています。これを将来の編集も見据えSOLIDWORKSで図面化しています。図番管理もできるので管理が煩雑となりがちな事も回避しています」と語る。

また更なる社内の利用拡大を目指している。


技術開発部課長 米田様の画像技術開発部課長 米田様

「新明和ソフトテクノロジには日々のサポートや勉強会など様々な支援を受けていますが、更にSOLIDWORKSの理解を深め、活用レベルを上げていきたい。

今後はモデル管理やCAE機能の利用拡大にも注力し、他社のSOLIDWORKSユーザとの交流や資格取得を進めノウハウを蓄積します」と力強く話す。

【技術者対談】SOLIDWORKSをフル活用した「MULTI INTELLIGENCE®」の開発

ここからは、SOLIDWORKSを活用した「MULTI INTELLIGENCE®」の開発について 同社の技術開発部部長 山内様と、当社 ソリューションビジネス部 西日本グループ 技術主任中川が、技術者同士の目線で対談した。

技術開発部部長 山内様の画像
技術主任 中川の画像

【技術者対談】

技術開発部部長 山内様

 

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技術主任 中川

 

MULTI INTELLIGENCE®

MULTI INTELLIGENCEの画像

加工中の温度や振動を工具ホルダーからリアルタイムに計測するソリューション。
異常を検知、また、収集したデータから詳細な解析を行い、工作機械におけるより良い加工条件を選択することを実現する。

「MULTI INTELLIGENCE®」が、「精密工学会 ものづくり賞 最優秀賞」を受賞しましたね。 まずはおめでとうございます。
開発はどのような経緯で始まったのですか?

山内様: ありがとうございます。加工現場では素材や製品形状の複雑化、工具の進化など、 これまでのノウハウや経験則で対応できていたことが、同じアプローチでは困難になっています。また取り扱う製品品種の増加により、加工の条件出しが頻繁に必要となってきました。

それは現場の負担が増えそうですね。

山内様: そうです。これら多様化の問題や加工のトラブル増加に伴い、生産の停滞が課題と なっています。生産性の改善には加工現象を正確に把握する必要があります。
そして同一製品や類似品は最適な加工条件をデータとして蓄積しておき、都度適用する必要があります。

ノウハウを見える化して活用するのですね。ではどのようなデータの蓄積が重要になるのでしょうか。

山内様: 弊社では、加工現象は刃先で見るものと考えます。これまで加工中の回転工具の刃先の現象を 正確に計測する手法は、ありませんでした。

この手法を実現した製品が「MULTI INTELLIGENCE®」ですね。どのように計測を実現したのでしょうか。

山内様: 弊社の得意とする精密加工技術と計測・評価技術のノウハウが沢山盛り込まれました。 また、工具ホルダーへ加速度センサーや温度センサー・通信回路などの電子機器を組込むことにより実現しました。

なるほど。その組み込みを含めた設計でSOLIDWORKSの出番となったのですね。

山内様: そうです。SOLIDWORKSを活用した効果は沢山ありましたね。かなりの作業工数を 軽減できましたよ。

主な改善点 (例)

  • 構造全体を考慮したトップダウン設計を進めることができた。
  • 3Dモデル設計により組み立て時の干渉トラブルを大幅に低減できた。
  • 筐体とプリント基板は異なるCADで設計する必要があり、位置決めに手間がかかり 寸法の重複管理など作業が煩雑だったが、
    SOLIDWORKS PCBの統合設計により作業効率が大幅に改善した。

SOLIDWORKSと周辺ツールも上手く活用されていますね。それでもご苦労は沢山あったかと。

山内様: もちろんそうですね。特に高速回転する物に対し様々な精密部品を入れること、 これは本当に大変でした。「MULTI INTELLIGENCE®」では1分間に15,000回転するのですが、遠心力で予期せぬ事象が多数発生して開発に苦労しました。

それを試行錯誤の結果、正常に動作させるに至ったと。素晴らしいことですね!

山内様: ありがとうございます。でも、まだまだ他にも超えなければならない目標があります。 「MULTI INTELLIGENCE®」を産業に浸透させ世の中に価値をもたらすには、軽量化とコストダウンが必要です。まだ知り得ぬSOLIDWORKSの機能や活用方法で対策していきたいですね。
そのためにも、今後も支援をお願いしますね。

ありがとうございます!全力で支援いたします!

 

【今後の展望】周辺ツールの活用による、設計の更なる効率化と設計資産の用途拡大

既にSOLIDWORKS PCBなど周辺ツールを活用している同社だが、SOLIDWORKSで作った設計資産を 活用する幅を広げるべく日々活動している。

  • 部品製作図面の作成強化(SOLIDWORKS 図面機能)
  • 強度解析の利用強化(SOLIDWORKS Simulation)
  • 部品加工データ出力(SOLIDWORKS CAM)
  • マニュアル・パンフレット用のイラスト作成(SOLIDWORKS Visualize)

これらの実現のためにも、新明和ソフトテクノロジの更なる支援と、SOLIDWORKS製品の機能強化に期待がもたれている。

会社概要(2018年12月現在)

株式会社山本金属製作所の画像

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